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なぜ、と訊かない

カウンセリングでもコーチングでも、相手が考えてみるための質問が大切ということは知られています。

でも、「なぜ?」「どうして?」という原因探しの質問は、

顧客対応場面、家族間含めやわらかさが必要な人間関係の場面、そして特にカウンセリング場面では

NGとされています。

普段このことについて、

「なぜ?」という質問は批判的で相手を追いつめるから、とシンプルに説明しています。

これだけでも、ふうんそんなもんか、

と感じる素直な人もたくさんいらっしゃるのですが、

今日はもう少し納得度を上げる話をしてみたいと思います。

 

人の考えや行動には、表面に見えているもの以外にさまざまな、複雑な「背景」があります。

でも、「なぜそう考えるの?」という質問は、少なくとも何か言葉になる理由や原因を前提にしてしまい、物事をとても単純化してしまうのですね。

それは聞き手にとってわかりやすい理由や原因に思えるかもしれませんが、そこから解決策を導こうとしてもうまくいきません。

複雑な要素をあえて見ないようにしているのと同じですから当然ですよね。

 

人の考えや行動について、本当に理解したいときには、「なぜ?」という着眼点ではなくて、たとえば「どんなときに?」「どんなきっかけで?」といったように、いろいろな背景を分かち合えるような質問が役に立つのではと思います。

 

「質問」の技法は聴くチカラ検定でいうと4級です。

かなり高度に位置づけられており、一朝一夕ではいかないかもしれませんが、日常でいい質問とは何か? ということを考えてみるのもよいのではないでしょうか。