"聴く"を学ぶ過程で、多くの人が感じるちょっとした「壁」について一緒に考える「聴くチカラ玉手箱」のコーナーです。
アップした後、相談業務をされている方から、
さっそくご質問をいただきました。
相談者さんの気持ちをうまく引き出すのが難しいと感じています。
どのように感じましたか?と聞いても、「~したほうがいいのかな」とか
「~しないほうがよかったのか」とか、考えをおっしゃるばかり。
気持ちと思考の違いを簡単に説明してから、「気持ちは?」と再度聞いても、「……」と黙り込んだあと「わからない」と言われます。
相談者さんの気持ちにつながるような質問の仕方のコツがあれば、教えてください。
聴くチカラ検定では、お話を聴いてスッキリしてもらうために、
思考よりも感情にフォーカスするスキルをお伝えしています。
考えを整理するためには、思考にフォーカスします。
使い分けができるようになるとよりよいですね。
「どんなお気持ちになりますか?」
と質問しても、
感情の言葉が返ってこない、ということはよくあります。
一つには、気持ちという日本語の中には「考え」と「感情」の両方を含んでいて、
区別したことがないという方がいるからで、
もう一つには現代社会は思考優先なので実際に感じていることを自覚することが少なく、
本人もよくわからないことも多いからです。
いろいろなアプローチがありますが、
一つには、こちらから感情の言葉が出しやすいように少し投げかけをすることで
促進されたりします。
ご相談の例では、
「~したほうがいいのかな」
「~しないほうがよかったのか」
という言葉が出ています。
これらは自分の行動への評価が表れていますね。
何かしらの行動の有無によりどうにかなってしまうような気がする、という文脈のようです。
この「どうにかなってしまう」の部分が、
それまでの話の中でネガティブなのか(心配、不安、恐れ)
ポジティブなのか(期待、前向きさ、好奇心)を感じ取っていると、
「~しなかったことで(することで)
いちばん心配なこと(嬉しいこと)ってどんなことでしょう」
という質問の形で投げかけることができるかもしれません。
話し手が出していない感情の言葉を聴き手が感じ取って投げかけるスキルは
「明確化」といって3級で扱います。
聴くチカラ検定では上級に位置づけられていて、
やや難しく多少リスクもありますので、
決めつけているような表現には気をつけましょう。
もちろんここまでに信頼関係が築けていることも重要です。
自分がどれくらい聴けているか、
レベルチェックしたい方は、
ぜひ検定<パイロット版>を受検してくださいね。
初級は20分、中級は35分ほどの短い時間で個別に受けられます。
→聴くチカラ検定についてはこちらをご覧ください。
このコーナーへの質問をお待ちしています。
ブログやメルマガでご紹介OKなお名前をお書きください。
もしよかったら本名やアドレスも教えていただけると、
いつかの機会に直接お答えもできるかもしれません。